Jr.の東方小説ブログ

新潟在住の東方ファンが自筆小説を公開するブログです。 週一程度の公開を予定しています。あとは徒然なるままに雑談でも。 ニ、三日に一度更新出来たら理想ですね。

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中編「永久と瞬間の姫君」第三章

今日の昼はずっとテレビにしがみついてサッカーJ1の地元チームアルビレックス新潟の試合を観戦していました。

17位から一気に15位まで浮上しなければJ2降格という重要な局面だっただけに、やはり見ごたえがありましたね。

普段サッカーなんてほとんど興味ないのですが、地元チームの命運がかかった試合だったのでさすがに見入ってしまいました。



さて、久しぶりの小説です。

やっぱり中編は一話書くのにかかる時間が違います。

前後の流れや最終的な展開を常に頭で考えながら描かなくてはならないので、一話書いてそれっきりの短編とは次元が異なります。

それが面白い、と言う書き手もいらっしゃるのかもしれませんが、私的には短編の方が性に合うのかな……? と考えつつも、ちゃんと今の続きは書くのでご心配なく。

それでは本編は続きから、どうぞっ!


Ⅲ 永遠と須臾の屋敷

「お待たせ致しました」
 お茶道具一式を持って部屋に戻ると、レミリアとフランドールは既に席に着いていた。
「遅かったわね」
 咲夜が部屋を出てから今に至るまで正味三分ほどであるが、それすら長く感じたのは話の続きを早く聞きたいからか、それとも咲夜の迅速な行動に慣れ切ってしまったからか。便利な能力は時に人を駄目にする。
 姉妹の前に紅茶を並べて、咲夜は下座に着いた。紅茶を一口含んで、
「続きでしたね……」
 フランドールは爛々と輝く瞳でこちらを見る。レミリアも紅茶のカップに口を付けつつ、咲夜を気に掛ける素振りを見せている。部屋全体が一瞬の静寂に包まれ、その後咲夜が口を開いた。
「……どこまでお話ししましたっけ?」
 部屋が静かになったせいか、外の吹雪の音がはっきりと聞こえてくる。フランドールが反応し、
「咲夜が死んだところだったよね」
「ああ、私が倒れたところでしたね」
 ボケと修正とフォローと突っ込みを同時にこなしたところで、咲夜は話の続きを語りだした。



 目が覚めると、私は見慣れない部屋に寝かされていました。起き上がって辺りを見渡すと、自分の家ほどではありませんがそこそこ立派な邸宅であると分かりました。
 生憎時計を持ち合わせていなかったのですが、障子の向こうが暗くなっていたのでおそらくは日は沈んでしまったのでしょう。
 部屋には誰もいなく、枕元には湯呑と急須が置いてありました。喉が渇いていたので飲んでよろしいかと少し考えましたが、止めておきました。私のために用意されたものではあるのでしょうが、流石にそこまで図々しくなるわけにはいきません。
 誰かいないか声を上げようとしたら、障子戸の向こうから足音が聞こえました。その音はもっとも近付いた所で止まり、障子戸に手がかけられます。
 私が少なからず緊張しているのを慮ることもなく障子戸は開け放たれ、そこには一人の女性が立っていました。女性はわずかに微笑み、そして声をかけます。
『お目覚めのようね』
 その声は優しげでしたが、私は何故だか少し怯えていました。子供特有の勘と言うものでしょうか。とはいっても私を介抱してくれたのは間違いなさそうなので、簡単にお礼を述べます。
 女性は私が倒れていたことや、それを自分の部下が家まで連れてきたこと、実は凍傷を負っていたけれど治療して完治させたことなどをやや早口気味に教えてくれました。
「凍傷ってそんなに簡単に治るの?」
「その女って……まさか、ね」
 ……お嬢様の言わんとしていることは解りますが、何分だいぶ昔のことなので顔を覚えていないんですよ。そのまさかかもしれませんし、そうでないかもしれません。
 とにかく、その後は簡単な食事を頂き、召使と呼ばれた人から竹藪の外に送り届けて頂くこととなったのです。
 道中お腹を空かさないようにとおむすびまで頂き、数人の家内の方から見送りを受け、召使さんと家を出ました。
 私が最初に彷徨っていたころはまだ雪も降り始めでしたが、既に一寸ほど積もっていて、竹藪の景色は全く違っていましたね。
 お供をしてくれた方は若い女性で、頭巾のような物を被っていました。藪を出る道は知っているようですが、なんとなく挙動が覚束ない様子で、何か隠し事でもしているかのような印象を受けました。
「してるんじゃないの?」
 まあ結果として、していたわけです。
 私たち以外誰もいないと思った藪でしたが、しばらく歩くと対面から何者かが歩いてきました。
 身長は召使さんよりやや高いですが、今の私と同じくらいでしょう。鏡の如き銀色の長髪が特徴的な女性です。
 それを見た召使さんは、まるで鞭で打たれたかのように跳び上がり、私の手を引き逃げ出したのです。
 私には何が起こったのか解りませんでしたが、下り坂をひたすら走って窪地になっているところに隠れると、召使さんは恐る恐るといった表情で教えてくれました。

『あの方は……「襲撃者」です』と。

 襲撃者という意味が今一つ飲み込めなかった私ですが、かなりまずい状況だったというのは概ね理解しました。
 しかし襲撃者は何事も無かったかのような表情で私たちに追いつき、『よぉ』と話しかけてきました。それに続けて、
『そこの嬢ちゃん、見慣れないな。客人か?』
 と聞いたのですが、当の召使さんが恐怖に震えて口も利けない状態でしたので、代わりに私が返事をしました。竹藪で迷ってしまい、気を失ってしまって気が付いたらあの屋敷にいた、と。
『ふぅん……で、その手に持ってるのが土産物ってわけか』
 私の手の中にある包みを指して言います。自然と私はその包みを抱きしめるように持ちましたが、
『おっ、……ふむ。嬢ちゃん、悪いこと言わないからさ、その包みをこっちに寄越してくれないか?』
 襲撃者は作り物のような微笑みで手を差し出します。私は従うべきなのか抵抗すべきなのかも判らなくなりましたが、すぐ隣で泡を吹いている召使さんの目は『大人しく従うべきだ』と告げているような気がしたので、渋々ながら包みを手渡しました。
『よし、いい子だ』
 そういって襲撃者は包みを取り上げ、乱暴気味に中のおにぎりを取り出し、己の口に放り込みます。
『ふむ……。…………、……っ!』
 おにぎりを無言で咀嚼していた襲撃者は、突如目を見開き、その表情を怒りへと急変させました。
 私はお口に合わなかったのかとハラハラしたものですが、襲撃者は怒りの表情のまま懐から別の包みを取り出して私に押し付け、『握り飯の礼だ。とっときな』とだけ言い、屋敷のある方に向かって“飛んで”行きました。
「特に驚かなかったのね」
 私たちが必死に走って逃げたのに一瞬で距離を詰めてきたのです。もはや空を飛んだところでそこまで驚きません。それより、私の興味は手渡された新しい包みの方にありました。
 ほのかに暖かい包みを開くと――そこには数本の焼き鳥が並んでいたのです。
「ああ、誰だか分かったわ。訪問者」
 ええ、これは私も最近になって確信しました。
「じゃああんたが連れてかれた屋敷もほぼ確定じゃない」
 まあおそらく……
 さて、頂いた焼き鳥も素直に口にしていいものか分からず、完全に意識が飛んでいる召使さんとしばらく呆けていた私ですが、やがて屋敷のある方から騒がしい音が聞こえてきました。
 なんとなくですが、あの襲撃者が屋敷に攻撃を仕掛けたのは理解できたので、この場から少しでも遠ざかった方がよいと判断し、いまだお花畑を彷徨う召使さんを呼び寄せるために肩を軽く叩きました。
 すぐに目を覚ました召使さんは、状況を理解するなりやはり逃げることを選択したようです。改めて私を竹藪の外へ案内しようと歩き出しますが、そこにまた新たな人物が現れます。
 見たことのない女性でした。黒くて艶のある髪が腰の高さに届いていて、豪華な装飾の施された着物に身を包んでいました。
「ああ、あいつね」
「あいつって誰? お姉様」
「あんたの知らない人よ。ちょっと面識があっただけ」
 ……その女性が自ら名乗ることはありませんでしたが、召使さんが『姫様……』と呼んでいたので、全くの他人ではなかったのでしょう。
『さっき色の抜けたような髪をした変な女に会ったでしょ』と聞いてきました。
 私は口を開こうと思いましたが、先に召使さんが応答し、それまでの大まかな流れを伝えました。私が藪で倒れていたこと、屋敷で介抱して、帰り際にある者の接触を受けたことなどを。
『やっぱりあいつが回収してったのね。まったく余計なことを……、まあいいわ。そこの子供、これを渡すから大事に持っときなさい』
 そう言って何かをこちらに放ってきました。両手で受け取ろうとしたのですが、片手が焼き鳥の包みで塞がっていたので思わず受け落としてしまいまいた。
 拾い上げた物を見ましたが、透明なケースに歯車などの金属部品が詰まっていて、よくわからない形をしていました。何に使うものなのか首を傾げていると、
『そいつが必ず役に立つ時が来る。無くすんじゃないわよ』
 そういって、彼女もまた屋敷の方へ飛んで行きました。



「ふむ。その去り方はなかなか格好いいね。今度真似してみようかしら」
「お嬢様、幻想郷で空を飛べる者はそう珍しくはないので、あまり意味は無いですよ」
「そうかい。……ところで咲夜、そろそろ夕食時なんじゃないかしら」
「ええ、すみませんね。つい話し込んでしまって」
「まあ割と真剣に聞いてたこっちもこっちなんだけどさ。とりあえず腹が減ったから急いで作ってよ。三分以内で」
「かしこまりました」
 当然の如く答えた咲夜にフランドールは、
「おお、流石咲夜。じゃああたしが三百秒数えてるねー」
 と、本気なのかそうでないのか判らないことを言う。
 しかし、冗談を冗談と受け取らないのが紅魔館でのルールである。少なくともこのメイドには、よほどのことでない限り不可能はない。時間を操る能力とは、それほどまでに強力なものなのだ。
 先程のように、部屋を出ると同時に時を止める咲夜。この空間ではいかに強力な妖怪、例えば吸血鬼であっても一切行動することはできない。唯一自由を許されるのが十六夜咲夜である。いわばここは、咲夜の世界だ。
 だが、そんな世界でも咲夜は主人のために奉仕する。窓の外で凍り付いている吹雪を見ながら、今夜の食事を何にするか、否、今夜あの姉妹は何を食べたいと思っているのかを思考する。
 とはいっても、その日に限って答えは簡単に出てきた。焼き鳥である。
 先の話で、焼き鳥のことを口に出した途端、姉妹の細かい動きに変化が現れたのを咲夜は見逃さなかった。
 もっとも、焼き鳥とは言うが吸血鬼の主食は人間。すなわち焼き鳥ではなく焼き人である。
 既に人間を使った食生活にも慣れた(といっても本人は人間以外の肉で別に調理する)咲夜だが、この日ばかりは鶏肉を使おうかと思い立った。きっと姉妹もそれをご所望だろう。
 そのためには外部から鶏肉を調達する必要がある。既に外は暗くなっているが、どうせ時を止めているので関係ない。咲夜は防寒着を着こんで、吹雪の外に出た。



……心なしか、短編「鞍馬諧報」あたりから文字数が増えたような気がします。

これ、実は気のせいではなく、ちょっとこちらの作業環境が変わったところに要因があったりします。

かつてはWindowsXPのメモ帳で執筆をしていましたが、最近になってWindows7に切り替えたんですよ。

そこで、それまで私はメモ帳で大体「2画面分」を基準に一話を形成していました。おそらくその基準が変わったんでしょうね。

結果的に書く分量が多くなってしまったというわけです。

まあ実測したわけではないのでどのくらい多くなったかは定かではありませんが、このまま長めで連載するか、それとも前の長さに戻すかは……別の機会に考えましょう。

さて内容に関してですが。

今回の特徴として、一話ごとの終わり方が若干不自然なんですよね。

何というか……打ち切りみたいな。俺たちの戦いはこれからだ的な意味とはちょっと違うのですが、大人の都合で一話分短くなってしまいましたよ、見たいな感じの締め方になっている気がします。

これ自体に深い意図はないのですが、今回の話は全体がかなり短い時間で進んでいますから、通しで読んだときにあまり長い時間を感じさせない方がよいと思ったんですよ。

その結果やや不自然になったというわけですが……この結果に関しては私の実力不足ですね。申し訳ありません。

さて次回……来週中に更新できれば、理想です。がんばります。
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[ 2012/12/01 23:41 ] 東方小説 | TB(0) | CM(0)
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