Jr.の東方小説ブログ

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短編「妖精たちの非情な缶蹴り」

一週間ちょい過ぎてしまいましたが短編です。

今回はほのぼのアクションです。妖精たちが騒ぎます。ただそれだけ。

でも書いてる自分も楽しかったですし、完成度も比較的高いと思います。

それでは続きから、どうぞっ!


「妖精達の非情な缶蹴り」

「そうだ、缶蹴りしよう」
 とある秋の昼下がり、道端に転がっていた空き缶を発見したサニーミルクはそう発案した。
 妖精とは瞬間に生きる種族である。それが面白そうだと感じれば、すぐさま実行に移そうとするのだ。
「いいんじゃない、缶蹴りなんて久しぶりだし」
「たまには運動しないとね」
 サニーと行動を共にしていたルナチャイルドもスターサファイアも乗り気だった。
「でも3人はちょっと少なくないかしら?」
 スターの懸念にサニーは、
「チルノちゃんでも呼んでみようか」
 と言って、霧の湖の方向にぴゅーと飛んで行った。



「連れてきたよー」
 程なくして、サニーは氷の妖精チルノを引き連れ帰還した。チルノの後ろには大妖精もいる。
「誰が鬼かはじゃんけんで決めるのね」
 ルナが確認を取る。それに反応したのはチルノだった。
「あ、あたし鬼がいい! 一対多でも全然楽勝よ!」
「ふーん。じゃあそれで」
 チルノの一存で鬼が決定し、サニー、ルナ、スター、大妖精は各々隠れるために散開する。
「缶蹴りって、つまりチルノに見つからないように缶を蹴ればいいんだよね?」
 大妖精が逃げながらスターに問う。
「? そうだよ。見つかって缶を踏まれたら負けってルールだけど……それが何か?」
 スターが聞き返す。大妖精はクスリと笑って、
「何も走る蹴るだけがルールじゃないよね?」



「――しーち、はーち、きゅー、」
 チルノが木の幹に顔を隠して秒読みをする。すでに他の四人は隠れ終わったようだ。
「じゅー! 行っくよー!」
 チルノが振り返り、隠れたメンバーを探し始める。しかし―― 一人見つけるのにそう時間はかからなかったようだ。
「だいちゃんみっけ!」
 草むらに身を隠していた大妖精が発見された。それもそのはず。草むらからは、明らかに不自然な羽がぴょっこり生えている。
 チルノが缶の置いてある所へ走り出し、同時に慌てた大妖精も飛び出す。距離からすれば大妖精に勝ち目はない。チルノが今まさに缶を踏もうとして――
「ポ――んん?」
 瞬間、どこからか吹いた突風が空き缶を転がした。缶はカラカラと音を立てて転がり、チルノは足を踏み外して前のめりに倒れそうになる。
 当然、この突風はたまたま吹いたものではない。大妖精が意図して起こした風だ。
「ちょ、だいちゃん、それってインチ――」
 チルノがあっけにとられている間に大妖精はダッシュ! 転がった缶を勢いよく蹴り飛ばした。
 カンッ――! と小気味良い音を出しながら宙を舞う空き缶。してやったりという表情で逃げ出す大妖精を尻目に、チルノは不気味に笑って呟く。
「フッフ。そうかいそうかいそうですかい。能力を使っていいと言うなら――ここから先は戦争よ」
 その眼をカッと光らせ、空き缶のことなど忘れたように走り出した。草むらや木の上など、隠れやすそうなところをくまなく探す。
「スターサファイアみっけ!」
 背の高い草に隠れていたスターが見つかった。しかし、位置関係上スターの方が缶に近い。スターは全速力で缶に向かって飛び、蹴るというより突き飛ばすフォームで空き缶に向かう。
 チルノも缶のもとへと向かうが、そんなに焦った様子はなく、普通の速さで飛んでいく。
(これなら間に合うっ……!)
 スターがそう確信し、空き缶に体当たりをかけようとして――

 ――突如降り注いだ氷の塊に遮られた。

「えっ――」
 妖精は急に止まれない。スターは勢いよく氷塊に激突して墜落、目を回してしまった。
「きゅ~」
「よしっ、これで一人片づけたわね。あと三人っ!」
 今後缶を蹴られると、スターも解放され一からやり直しになってしまう。チルノとしても気が抜けなくなってくるのだが、
「…………」
 気が抜けそうになった。
 視線だけを右に逸らすと、ルナチャイルドが堂々とこちらへ向かって来るではないか。
 足音は聞こえない。おそらく彼女の能力で音を消しているのだろう。本人も気づかれているとは思っていないようで、その表情は自信に満ち溢れていた。
(……ルナチャイルドみっけ)
「!」
 普通に、特に能力を使うことなく缶を踏みつける。「みっけ」の宣言はルナの能力によって掻き消されていたが、確実に目が合っていたのでアウトだろう。
「なんで分かったのよ~」
「バレバレよ。それに、いくら音が聞こえなくたって堂々と缶に近づく者がいればバカでも気付くわ」
 フフン、と得意げに胸を張るチルノ。これで残るはあと二人。大妖精とサニーミルクである。
 大妖精は既に一度見つかっているので、より注意力が増しているはずだ。難敵となるかもしれない。
 辺りを見渡す。草むらにはもういないだろう。だとすると、木の裏側などの死角になっている部分が怪しい。
「……よし」
 ここはひとつ、煽りをかけることにする。わざと油断している素振りを見せ、相手をおびき寄せるのだ。
 缶から離れ、しかしいつでも氷晶を展開できるように準備する。この時点で既に缶蹴りとは言えなくなっているが、妖精たちにとって楽しめればそれでいいのだ。
 無意味と分かりながらも草むらをかき分けていると、後ろの方からガサガサッ、という物音が聞こえた。作戦開始である。
「だいちゃんみっけ!」
 振り向いて指名するが、大妖精は見向きもせず一直線に缶へと突進する。
「うりゃうりゃうりゃー!」
 今度はチルノも全力で追い、その右手に氷の剣を形成する。
「えっ、チルノちゃんそれは流石に――」
 得物が反則だというルールは決められていない。チルノは聞こえないふりをしてその剣を振りかざす。
「はっはーここでお陀仏だよ! いざ、てんちゅー!」
 テンション高く剣を振り回すが、大妖精も風の力を借りながら器用にかわしていく。遊びといえども、この一撃をまともに食らったら妖精の儚き命にも差し障るかもしれない。まさに必死だ。
 そうこうしていくうちに缶が近づいてきたが、先のスターサファイアの様子を見たのなら馬鹿正直に突っ込む気は失せるだろう。大妖精は一度旋回し、缶の裏側に回り込む形で蹴りの姿勢に入った。
「――しまった!」
 チルノが思わず声を上げる。同時に幾多もの氷塊が空き缶の前に突き刺さったが、それらはすべて回り込むことで回避されてしまった。
 よもやこれまでか。トラップを回避されたことで半ば諦めかけたチルノであったが――

 ――大妖精の足は缶をすり抜け、虚空を切った。

『――えっ?』
 その声が大妖精のものであるか、チルノのものであるか、はたまたその両方か。大妖精は驚愕の表情のままバランスを崩し、そのまま地面に転がり込んだ。
 大妖精が狙いを外したわけではない。確かに缶を蹴ったはずなのに、その足は缶を突き抜けた。
「貰ったぁ!」
 その場に響く第三者の声。チルノが反応し後ろを振り返ると、

 ――カンッ!

 いつの間にかそこにいた生存者、サニーミルクが砂埃を舞い上げながら缶を蹴り飛ばしていた。
 それを見たチルノはすべてを理解し、己の注意力の低さを呪った。
 光の屈折。
 コップの底に入れたコインは、水を注ぐと見える位置がずれる。これは光の屈折によるものだ。
 サニーミルクは、この光の屈折を操ることができる。つまり、先ほど大妖精が盛大に空振りした缶は偽物であって、実際はもっと別の場所にあった。
 チルノが大妖精を探している間にサニーが缶の見える位置をずらしたのだろう。正しい場所を知っているサニーだけが缶に触れることを許されていた、つまりこのゲームは完全に支配されていたのだ。
 珍しく頭脳を高速回転させたチルノは、その場で崩れ落ち、虚空に吼える。

「う……うぁあああああああああぁぁああ!」

 瞬間、ゲームは日没まで続くことが決定した。



話はここで終了ですが、多分チルノ達にとってはここからが本番でしょう。

サニーの能力は缶蹴りにおいてはチートです。正直勝てる気がしません。

この後チルノは厳しい戦いを強いられることになりますが、果たして勝敗や如何に。

今回途中で話を切った形ですが、この続きは読者様の脳内で補完していただければ幸いです。

多分文章で書いてもグダグダにしかならないと思うので……

さて次回なのですが、実はまだ完成しておりません。

一応射命丸文を主人公にしたお話を書いているのですが、これがいま一つ盛り上がりに欠けまして。

もしかするとこれをボツにして新しく書き直すかもしれないので、現段階ではあまりはっきり予告しないでおきます。ご了承ください。
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[ 2012/10/21 17:57 ] 東方小説 | TB(0) | CM(0)
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