Jr.の東方小説ブログ

新潟在住の東方ファンが自筆小説を公開するブログです。 週一程度の公開を予定しています。あとは徒然なるままに雑談でも。 ニ、三日に一度更新出来たら理想ですね。

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無題 第十章

昨日のハルヒちゃんの憂鬱は無事交換できました。いやー良かった。

あーそういえば先日のガンダムペプシの新シリーズが9月から出るそうですね。もう8種類。……流石に集める気力が薄くなってきます。

それはそうと小説です。前回の記事でこの話一番のシリアス回になると予告してたんですよね。

まあ作者の主張と読者様の見解が必ずしも一致するとは限らないのですが……続きからどうぞっ!



第10章

 とりあえず建物を出てみたものの、どこをどう行けばどこに着くかが全く解らない。スキマを漂う前にいた場所とは似ても似つかぬ、別世界とも表現できる景色が広がっていた。
 こういう時霊夢だったら、持ち前の勘の良さで的確な進路を取るんだろうが、なにぶん私は霊夢ほど賽の目の読める人間ではない。
 ……まてよ。霊夢もおそらく私を探しているだろう。それなら私は動かないほうがいいんじゃないだろうか。勝手に霊夢が見つけてくれるのを待つ。うん、我ながら良い作戦だぜ。
 といってもここに突っ立ってるのもなんだしな。近くに座れる場所はないだろうか。手頃な倒木や岩があればいいんだが。
 しかし、この道は人が歩くのに特化しているようだった。休める場所なんて早々無い。私は少し歩いて休憩できる場所を探すことにした。

 程なくして、休めそうな場所は見つかった。
 建物の裏側、あまり人が寄り付かなそうな場所に、その空間はあった。
 入り口付近の看板は「みどり公園」と書かれている。はて、これはどういう意味だろう。みどりって言ったって、ほんの僅かに木が植えてあるだけのようだが。
 まあいいや。中に長椅子がある。あそこで一休みしよう。誰も居ないようだから、勝手にお邪魔させてもらうことにした。

「ふぅ……」
 やっと腰を落ち着けられてほっとした。なんだかこの椅子は見た目は木材だけど、それらしくない。独特の暖かみに欠けるような。まあ座れれば何でもいいんだけどな。
 少し落ち着くと、とたんに別の感情が全身を支配してきた。

 どうしようもない。

 一応今は霊夢待ちなんだが、まず霊夢がこの近くにいるというのも私の予想でしかなく、その根拠は果てしなく無に近い。
 何でこんなことになっちまったんだろうな。全ては……紫か。なんだかよく解らないままここに来ちまったが、元を辿れば、突然あいつが私らをスキマに陥れたんだ。いや、もっと前だな。こっちに私達を送ったっきり、結界を開いてくれなかった。閉め出されたんだ。
 私は霊夢にくっついていったら巻き添えを喰らった形だが……何故霊夢が幻想郷から追い出されなきゃならん。あいつが何をしたんだ。
 仮に上手く帰れたとしても……そこに私達の居場所はあるのだろうか。アリスは。パチュリーは。香霖は。私を認めてくれるのか?
 途方も無い絶望感。それに、霊夢は必死に私を探しているだろうに、私はここに座ってじっとしていることしか出来ない。
 私は、無力だ。いつもあんなに気丈に振舞っているのに、いざ自分の想定の範疇を超えた事態が起こると、とたんに何も出来なくなってしまう。
「霊夢……」
 星の無い夜空を見上げてそう呟くも、返事が聞こえるはずは無く、ただ溢れてくる涙を抑えることしかできなかった。



 ない。何処にも。魔理沙の姿が。
 歩き続けること約半刻、同じような風景ばかりが続き、一向に再開の目処は立たなかった。
 空を飛んで探したほうが早いのは百も承知だけど、流石に外の世界でそんなことは出来ない。地道に歩き続けるしかなかった。
 私の周りには、幻想郷の里でも見られないほどの大人数がせわしなく行き来している。もしかしたら、人に聞いたほうが早いかもしれないわね。
 とりあえず、近くにいた中年男性に話しかける。
「あの、すいません。人を探してるんですけど……」
 その男性はちらとこちらを見て……
(え……)
 何事も無かったかのように通り過ぎていった。さも自然に。
 ……忙しかったのかしら。それにしても冷たい人だわ。他をあたりましょう。
「すいません、人を探してるんですが……」
 さっきよりもうちょっと若い男性に話しかける。
「うん? ……ああ、悪いね。急いでるんだ」
 ……それだけ言うと、返事も聞かずに去ってしまった。なに? なんなの? 私が何か悪いことでもしてるの?
 近くを十歳ぐらいの女の子が通りかかったのでもう一度話しかける。
「あの、ちょっと話を聞いてもらえるかしら」
 女の子は立ち止まり、じっとこちらを見てから、何か怖いものを見るような表情をした後、走り去っていった。
 ……もう駄目。足には疲労が溜まるし、精神的な疲れはそれを遥かに上回る。近くに座れるところが無かったので、道の端で屈みこんでしまった。
 嗚呼、このまま私はこっちの世界に取り残されたままなのかしら。魔理沙にも会えない。通り行く人はみんな冷たい。私がこうしていても、誰も声をかけてくれない。
 ふと上を見上げると、途方も無い大きさの看板が景気よく光っていた。中で人が何か喋っているけれど、その声は周りの騒音にかき消されている。
 気が遠くなってくる。
 視界がぼやけてきた。
 耳障りな喧騒。
 嫌な暖かさのある空気。
 押し寄せてくる光の洪水。
 霖之助さんが言っていた「外の世界」とは、こんな所なのかしら。
 この喩え難い感情を無理に表すなら……「恐怖」。
 私が今まで幾人もの妖怪と戦ってきて、一度も感じたことの無かった感情。恐怖。
 それを私は、この全てが無機質な雑踏の中で、人の温もりが微塵もないこの世界で、全身を撫で回されるように感じている。

 怖い。

 「うぅ……」
 頭を抱えてうずくまる。頭痛の原因はこの息苦しい空気だけではないだろう。吸血鬼と戦ったときも、月の人間と戦ったときも、私は臆することなく立ち向かってきた。
 しかし、今ここで、私は見苦しくもしゃがみ込んでいる。こんなにもあっさりと、この世界の重圧に負けてしまっている。
 道行く人は、何事も無いかのように通り過ぎてゆく。
 怖い。




……はい、自称シリアス回でした。この後どう繋げればよいのかという術を私は知らないので、いつも通りに進行していきます。

実はこの話を書くにあたって、終盤のフレーズだけは大分前から決まっていたんですよね。

むしろこれを書くために話を作ったというか。それぐらい作者にとって印象深い場面です。

かといってこの後はもう何もないのかというと、そうでもありません。話し全体で言えばいよいよクライマックスとなってきますよ。

そんなわけで次回予告。

各勢力に伝達を終えた紫は、一度藍のいる博麗神社に戻ります。そのとき――異変は起こったのです。

起承転結で言う転の部分ですね。今までにも何回か転があった気がしますけど。

ちなみに今回第十章ですが、全体で十七章を予定しています。もうちょっと続きますが、どうかお付き合いください。
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[ 2012/08/20 12:15 ] 東方小説 | TB(0) | CM(0)
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