Jr.の東方小説ブログ

新潟在住の東方ファンが自筆小説を公開するブログです。 週一程度の公開を予定しています。あとは徒然なるままに雑談でも。 ニ、三日に一度更新出来たら理想ですね。

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短編「ヒソウテンソク、大地に立つ!」《後編》

前の記事で「まどマギの劇場版前後編が地上波で放送される」とお伝えしましたが、じつは劇場でも再上映することが分かりました。

新潟のTJOYで一週間限定。つまり叛逆の物語がロードショーされる前にもう一度、ってわけですね。

二本連続で16:25~21:00。一日一度なので他の時間はありません。

以前公開されたときに都合が付かず見逃してしまったので、これ幸いと観に行ったのが昨日のことであります。

しかし……二本連続で映画を観ると言うのは慣れてない私にはかなりの苦行で。

強い光と大音量に5時間近く晒されていたため、終わった頃には頭痛でフラフラするレベル。

あ、でも映画自体はとても面白かったですよ。テレビ版の再編集ではあるものの、やはり劇場版になるだけ細かい部分が全然違います。

逆に、ストーリーを知っていた分細かい演出にまで楽しむ余裕ができたかもしれません。

あれは初見の方も楽しめますが、テレビ版を一度見た人にも十分楽しめる力を秘めていますね。

全体的に演出が豪華になり、テレビ版第一話冒頭のシーンを敢えてカットすることで、後半に出てくるシーンが寄り印象的に映ります。「ここで持ってきたか!」と。さすがシャフト!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!

……と言う訳で、昨日更新ができなかったのは、映画を見て帰宅した時点で活動限界となっていたからでした。申し訳ない。

土曜の内に更新しておけばよかった…原稿あるんだし。

まあ嘆いていても仕方ない。後編は全編よりちょっと長めです。

前回は三妖精の機体相手に快勝した所に、新たな敵が現れて終わりました。今回はそこから。

続きからスタートですっ


「何よ! また敵襲?」
 見ると、スクリーンの奥に黒い点が見える。秋晴れの空に浮かぶそれは、やはり人の形をしていた。しかし、三妖精と決定的に違うのは――
「は、速い!」
 始め黒点だと思っていた人型は、次の瞬間には非想天則のすぐ手前まで迫っていた。慌ててレバーを倒す。
 黒い機体の全長は、三妖精の機体より二回りほど大きい。スマートなフォルムは非想天則と対照的だ。よく見ると、機体の周囲を八角形の香炉のような物が二つ周回している。
 突然の奇襲に対し転がって回避すると、黒い機体は先ほどいた場所を突き抜け、その奥――ルナとスターの機体へ突っ込む。
 激突するかと思いきや、黒い機体は素早く姿勢を制御し、ドロップキックで二機を踏みつけ、衝撃を吸収させた。
 黒い機体は反動をつけてこちらへ迫ってくるが、踏まれた方は堪らない。一度バチン! と火花を散らせ、その後派手に爆発を起こした。
「なッ……!」
 相手は待ってくれない。右手をかざすと、周囲に浮いていた香炉が光りだす。その時になってチルノは、黒い機体の正体に気が付いた。
11-2.jpg

「この動作……あいつ、霧雨魔理沙!」
 そう思ってみると、黒ずくめの機体は確かに例の魔法使いを彷彿とさせる。
 すると、その正面に立つのはあまりに危険である。すぐに真横へ回避する。
 すると――ゴッ! という音とともに、すぐ脇の地面が抉られた。
「…………」
 ダラダラと冷や汗を流す。予想通りではあったが、魔理沙の周囲を飛ぶ香炉は、彼女が持つ『ミニ八卦炉』と同じものらしい。
 圧倒的機動性と高攻撃力。鈍重な非想天則で如何にすれば対抗できるのだろうか。
「……そうだ、空ッ! 空を飛べればあるいは……」
 キョロキョロと辺りを見回し、足元にあったペダルを思い出す。短い足を精一杯伸ばし、何とかペダルに足を掛けた。強く踏み込むと、ゴッ! と上向きに急加速する。
「飛べた! よし。勝負よ、魔理沙!」
 相手もすぐに追いつき、空中で対峙する。八卦炉が高速回転を始め、細い光線が次々に射出される。
「遅いっ!」
 光線の輪を潜るように急接近し、その速度を生かして拳を打ち込む。ところが――
「えっ、消えた?」
 一瞬ブレたと思うと、既に目の前にはいなかった。直後、後ろから強い衝撃が走る。
「きゃあ!」
 回し蹴りでも入れられたのか、機体が大きく揺れる。狼狽える暇などなかった。反射的にペダルに力を入れる。
 真上に急加速すると、そのすぐ下を太い光線が通り抜けて行った。
「くっ……、速すぎる!」
 上昇しつつ後方を向くと、魔理沙の機体はすぐ目の前に迫っていた。回避する間もなく、頭部を鷲掴みにされる。丁度、ルナの機体のように。
 魔理沙の機体がギシギシと力をかけるのに従い、スクリーンの画像にノイズが走る。レバーをガチャガチャ動かしても、ペダルを強く踏み込んでも、指示通りに動けない。
(やだっ、やられる……ッ!)
 思わず目をつぶる。しかし――一向に破壊は訪れなかった。
(…………?)
 恐る恐る目を開けると、
「――ッ!」
 スクリーンに映っていたのは、敵機の腕だった。――腕しか映っていなかった。
 腕を振り払いながら見渡すと、そこには信じ難い光景が広がっていた。
「……新しい……敵?」
 右腕を失った魔理沙の機体が、もう一体のロボットと戦っている。新しいロボットは紅白に塗り分けられて、巫女のような姿である。例えるならば――博麗霊夢のようだ。
 しかし両者、戦っているとはとても言えない。魔理沙はもう一体――霊夢の機体から一方的に攻撃を受けている。
 魔理沙の八卦炉から放たれる光線を霊夢は軽々とかわし、次々に遠距離攻撃を当てていく。一つ一つの攻撃は小規模だが、確実にダメージを与えていく戦法だ。見る見るうちに魔理沙の動作が鈍っていく。
 投擲しているのは巨大な陰陽玉。起爆はしないが、かなりの重量があるらしい。鈍器のように扱われていた。
 制御不能となった黒い機体が地面に墜落する。それでも霊夢は止まらなかった。二度三度と駄目押しをし、最後は抵抗できない魔理沙の機体へと落下、腹部に強烈な蹴りを入れる。
 その力に耐えられず、黒い機体は腹から二つに分裂してしまった。
「…………」
 チルノは己の中で沸々と、黒い感情が湧いてくるのを感じた。
 霊夢の機体は、チルノをピンチから救ってくれた。それなのに、今は憎しみの方が強く感じる。二つの相反する感情が入り乱れ、やがて一つの答えを生み出す。
「――――ッッッ!」
 気が付くと、レバーを壊さんばかりに前に倒していた。非想天則は拳を構え、霊夢の機体へと急加速する。
 対して霊夢は、何も持たない左手をかざした。するとそこから光が生まれ――



「かっぱっぱー、かっぱっぱー」
 奇妙な歌を歌いながら山道を行くのは、妖怪の技術者、河城にとり。
 彼女は来週開催される『第伍回 未来水妖バザー』の準備に追われていた。
 イベントのマスコットであるロボット――非想天則は、河童たちの手で整備・点検されている。今年はにとりを含む数人の河童が担当だった。
「ええと、確かこの辺に……お、あったあった」
 山道から少し外れた所に、非想天則はあった。内装を確認するためハッチを開ける。すると、
「ッ! こいつはくせぇーッ! 薬品の臭いがプンプンするぜーッ!」
 漂ってきた異臭に顔をしかめる。そして、その中に何者かが入っていることに気付いた。
「んあ? 誰だ? ……返事が無い。ただの屍か……」
 覗き込むと、座っていたのは一匹の妖精。しかも、ぐっすりと眠っている。
「何だってこんなところに潜り込んで……ふぁ~あ……はっ! このコクピット、睡眠薬が充満しているッ!」
 妖精が寝てしまったのも、それが原因だろう。かなり強烈だ。
 どうやって妖精を引き上げようかと考えていたら、後ろから声が掛った。
「あれー? 気付かれちゃったか」
 そこにいたのは一匹の妖怪兎。名は因幡てゐ。幸運を呼ぶ悪戯兎として知れ渡っている。
「なに? まさかこれで私を眠らせようとでもしたの?」
「んー、半分正解。正確には、言い夢見せてやろうと思ってね」
「?」
「睡眠薬は見破られたけど、そこにはもう一種類の薬が充満してる。胡蝶夢丸を粉末にしたものさ」
「胡蝶夢丸?」
「師匠が調合した夢の薬でね。それを飲んで寝ると楽しい夢が見られる」
「……あー」
「コクピットの中という条件も相まって、きっとアクティブな夢が見られたと思うんだけど……バレてしまっては仕方ない。わたしゃこれにて失礼するよ」
「あっちょっ! 逃げるなー!」
 制止を振り切って、てゐは走り去ってしまった。残されたにとりは、仕方なく寝ている妖精を叩き起こす。
「おーい、起きろー!」
「むにゃ……あたいが一番ヒソウテンソクを……はっ!」
 我に返った妖精はキョロキョロと辺りを見回し、徐々に現実を認識する。
「あれ……今の、夢?」
「あちこち飛んで正義のヒーローでも演じてたか? 残念非想天則はただの模型だよ」
「……え」
 そのときの妖精の顔を、にとりは当分忘れられないなと思った。何故だろう。悪いことなどしていないはずなのにとてつもない罪悪感に駆られる。
「……、ほらほら、点検の邪魔だよ! 早く出てけー」
 無理矢理追いやって、ハッチ脇の換気ボタンを押す。しばらく待てば中に入れるようになるだろう。
(しかし……なぜあの兎はこんな事を?)
 自分が楽しむ訳でもなく、他人にさせることの意義が分からない。迷惑行為でも慈善事業でもないこの仕業に、何の意味があるのだろう。
(……もしかして)
 てゐはにとりを陥れようとしていた。にとりが巨大ロボットに乗って戦う夢を見たら、どうなるか。
(私がそれに触発されて……本物のロボットに改造すると考えたのか?)
 するとてゐの目的は、本物のロボットに乗って更なる悪戯をするのか……あるいは単に楽しみたかったのか。
「ふっ……そうかそうか」
 ニヤニヤとしながら、スカートのポケットから栄養ドリンクを取り出した。
 それを一気に呷り、よしっ、と気合を入れる。
「――今夜は長くなりそうだ」



 ボーっとした頭で、チルノは山道を降りていた。
「なんだよもー。折角面白い所だったのに夢でしたーなんて」
 ぶつくさと文句を言うチルノ。そんな彼女の前に、立ち憚る者達がいた。
「チルノちゃん! いいところで会ったわね!」
「ここで会ったが百年目!」
「また人間を驚かせてやりましょう!」
 光の三妖精、サニー、ルナ、スターだ。
「ぁ……」
 思わず声が出なくなってしまう。その瞳には、三妖精のロボットを次々破壊していった自分と、そこに致命的な一撃を与えた黒いロボットが浮かぶ。
「どうしたの?」
 スターサファイアが呼び掛け、やっと我に返る。
「い、いや。何でも。そうね! あいつらに仕返ししてやりましょう!」
「仕返し? 当てでもあるの?」
 ルナチャイルドの疑問に、チルノは迷うことなく答えた。
「博麗霊夢と霧雨魔理沙! 今度はギャフンと言わせてやるわ!」
 三妖精は事情がよく呑み込めなかったが、いつになくチルノの気合が入っているので、今回は成功するかもしれないという期待は持てた。
 一致団結し、博麗神社を目指す四人。妖精達の逆襲が、今始まる。

Fin 


イケメンチルノ

ここまで読んでいただきありがとうございました。

無駄に壮大な展開の割にかなり落ち着いて終わることができたかなと思います。

ただまあ、夢オチと言うのに評価が分かれました。知人の中で。

私的に、非想天則でバリバリアクションなロボットものが書きたい!と思ったら、夢の中ぐらいしかないと思うんですよね。後は原作設定完全無視か。

しかし…読んでいただけた方はお分かりかと思いますが、どうも夢の中だけでは終わらないようです。これがある意味、私なりの妥協案ですね。

このぐらいは許されるだろう。これぐらいあってもいいんじゃないかな。という。あと続編を書きやすくするフラグ←

まあ本当に続編書くか分かりませんが。そういえば続きを書こうと思って放置していた短編があったな…

でも、挿絵担当の友人が思いのほかノリノリだったので、また非想天則を書いてくれ、と頼むことになるかもしれません。その時はよろしくお願いします。

さて次回ですが、ハロウィン……ですね。

短編を書いてはいるのですが、正直間に合うか微妙なラインなので、もしかすると日曜日には更新できないかもしれません。

それでも、リアルハロウィン当日には間に合わせますので、長い目でお待ちいただければ幸いです。
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[ 2013/10/21 20:37 ] 東方小説 | TB(0) | CM(0)
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