Jr.の東方小説ブログ

新潟在住の東方ファンが自筆小説を公開するブログです。 週一程度の公開を予定しています。あとは徒然なるままに雑談でも。 ニ、三日に一度更新出来たら理想ですね。

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短編「ヒソウテンソク、大地に立つ!」《前編》

予告通り、以前某所に寄稿した短編を二週に分けてお送りします。

もうタイトルから出オチですが、実際中身もこんな感じです。パロディ全開です。全開すぎるので創想話に投稿するのはやめておきました。pixivにはそのうち載せると思います。

さて今回、ゲストとして私のリアル友人の絵師から挿絵を描いていただきました。前後編に一枚ずつ掲載させていただきます。

オーダーをした私も仰天するようなクオリティで仕上げてくれまして。これは本文も手を抜けないなと覚悟したものです。それでもパロディ路線は貫きましたが(笑)

今回公開が遅れてしまったのは、このイラストの掲示許可を取っていたからというわけです。

それでは本編は続きから。どうぞっ



 余りに暑すぎる夏が過ぎ、木陰の散歩道では秋桜や藤袴が咲き始めるようになった。
 妖怪の山にも、着実に秋が近づいている。
「わーれはさーいきょう、しーらないのー♪」
 間の抜けた歌を歌いながら山道を飛んでいるのは、氷の妖精チルノ。
 チルノの最も長い季節である夏が終わり、日々気温が下がるにつれてこの妖精のテンションは上がっていた。
「あと数ヶ月であたいの季節ね! 夏はずっと負け続けだったけど、冬になった暁には、あのにっくき人間どもを再び奈落に落としてやるわ!」
 志高く拳を握る。ちなみにチルノは人間達を奈落に落とした事など一度もない。
「というわけで、来る決戦の季節にむけ、今から山籠もりよー!」
 チルノの近くには何者も居ない。流石に虚しくなったのか、その後しばらくは無言で山を登っていた。
「うん? あれは……」
 ふと、道の外れに何かが見えた。いまだ夏の深緑が幅をきかせる山道には似つかわしくない、金色に光り輝く物体である。
 近くまで行くと、それはもっと大きい物の一部であることが分かった。
「なにこれ……おっきい……」
 唖然として全体を眺める。山道から丁度隠れている窪地で仰向けに横たわるその物体は、人の形をしていた。しかしサイズが桁外れである。チルノの身長の四十倍はあろうかという巨体は、全身が金や赤に塗装され、ギラギラと日光を照り返している。
「……ハッ! これってもしかして……」
 その巨体には、見覚えがあった。
「あの巨人、名前は確か……ヒソウテンソク!」
 非想天則。それは、河童が作り上げた巨大ロボットの名称である。
 蒸気圧で動作し、山を砕き海を割る機体だという話だが、実際に使われているところは見た事が無い。こうして捨てられているところから察するに、どうやらお払い箱となったようだ。
(この人形……あたいにも動かせるかな? そうしたらもう、恐い者無しね!)
 チルノが発見したのは頭部の装飾部分だ。見たところ、胸部のハッチから中へ入れそうだったので、そちらへ移動する。
「やっぱり鍵とかいるのかなー。……うぐぐ、開かない。……んーよいしょっと!」

11-1.jpg

 渾身の力で引っ張ると、何とかずれ動いて隙間が開いた。動きやすくなったハッチを押し開け、気温の高い操縦席へと入り込む。
「うっぷ……臭い」
 コクピットの中は妙な臭いで充満していた。
「おお……これが操縦席か」
 外部の光に照らされたのは、人一人入ってやっとのスペースを取り囲むように配置された操縦系と、古びたブラウンのシート。それらはチルノの童心を爆発させるのに十分な熱量を持っていた。
「何だこれ……凄い……」
 無意識にシートに座る。恐る恐る右手でレバーを掴み、少し動かす。何も変化しなかったので、今度はあちこち弄り始めた。
「これ、河童が作った人形だよね……燃料があれば本当に動くかも……」
 非想天則は、見せ物として作られた人形だと聞いていた。しかし現物は細部までよく出来ており、本当に巨大ロボットがあればこんな感じなのか、と容易に想像できる構造である。
(捨ててあるってことは、故障したのかな?どこか押せば治るかも……)
 手当たり次第にダイアルを回したりレバーを引いたりするが、機体はびくともしない。しかし、足元のペダル脇に付いていた丸いボタンを押すと、
 ゴシュー……、バタン。ガチャ。
「なっ……! ドア閉まった――!」
 慌ててハッチに体当たりするも、壁と一体化したかのように動かない。ボタンを再度押すが、何も変わらなかった。
「うそ……閉じ込められちゃった……」
 助けを呼ぼうにも、ここは人通りがほとんど無い妖怪の山の、山道から少し離れた窪地だ。
(……っ、何とかして対策を練らないと……)
 とりあえずシートに腰を掛けると、自動でハッチやその周辺の壁が透き通り、外の景色が見えるようになる。
(む、無駄に凝ってるのね……いやいや、そうじゃなく……)
 普段使わぬ頭を必死に回転させ、何とか出られないか考える。しかし、その思考を邪魔する者が現れた。
 ピピーピピー! という警笛音とともに、スクリーンを飛び交う影が三つ。
「えっ何! 敵襲……ッ!」
 それらの飛行物体は、人の形に虫の羽が付いた、まさしく妖精のような姿である。白を基調に赤、青、黄のカラーリングが施された機械の巨人。全長はそれぞれ非想天則の半分にも満たないが、近づいては逃げる様がチルノを挑発しているようにも見える。
 というより、その三機のデザインには見覚えがあった。
「サニー、スター、ルナ……あいつらが乗ってるっていうの?」
 チルノが名を挙げた三匹の妖精は、いつも一緒に行動し、度々人間に悪戯をしている集団だ。チルノとも面識があり、最近では彼女らへ宣戦布告し、見事降伏させたこともある。
 しばらく非想天則の付近を飛び回っていた三機だが、やがて行動に変化が現れる。スクリーンの向こうで三機がピタリと一列に並び――弾幕を展開する構えを取った。
「なっ! ちょっ! やっぱ敵なのね!」
 驚愕するチルノだが、考えればコクピットの中は密室である。このまま三妖精に撃破された場合、操縦席がどうなるかは想像もできない。
「追っ払わなきゃ……くっ、武器は無いのか、武器は!」
 それらしいスイッチを探すも、そもそも説明書きなどの表示は無い。どれも同じボタンのように見えた。
「う、うわ――ッ!」
 思わず左右対にあるレバーを同時に引く。理由はない。苦し紛れの抵抗のつもりだったのだが、

 ゴゴゴ――とコクピットが揺れた。そして、スクリーンに映し出される景色がゆっくりと動き出す。

「う、動いた!」
 突然動き出した機体に驚いてか、三妖精は慌てて攻撃を始める。三色の光弾が放たれるが、それらを被弾をしても非想天則には目に見える損傷がない。
「凄い……ビクともしないのね!」
 三妖精も慌てているようだ。散開し、三方向から攻撃を仕掛けようとする。
「それなら反撃よ!」
 レバーのグリップを強く握ると、その場でパンチが繰り出された。これと移動の組み合わせだけでも十分戦える。
 視界にいた赤い機体――サニーと思われる機体へ向かって走り出す。足元が悪いにもかかわらず、非想天則は真っ直ぐに距離を詰める。
「まず――ひとつ!」
 うろたえるサニーに詰め寄り、グリップを握る。すると、非想天則がストレートのパンチを繰り出し、対象に命中。抵抗する間もなく吹き飛ばされたサニーは、遠くの河原へ墜落した。
 レバーを左右逆に倒し、方向転換する。すると、すぐそこまで迫っていたルナの機体と目が合った。
「ふたつ!」
 グリップを握ると、今度はパンチではなく、相手の頭部を鷲掴みにした。
 ミシミシィ! と嫌な音を立てて、それっきり敵機は動かなくなる。
「状況に合わせて戦法を変えられるのね! 賢い子だわ!」
 それを見た最後の一機、スターの青い機体が逃走を始めた。
「逃がさないよ!」
 走りながら攻撃を指示する。すると、掴んでいたルナチャイルドをサイドスローで投げつけた。
「みっつ!」
 小型と言えどもかなりの重量があるであろう機体同士が衝突し、地面にめり込むように静止する。
「勝った……の?」
 何故三妖精が攻撃をしてきたのかは不明だが、全くの未経験でありながらそれらを振り払うことが出来た。その事実が、チルノの脳内を駆け巡る。
「やったわ! あたいったら最強ね!」
 薄暗いコクピットの中で一人歓喜するチルノ。しかし――

 ――ピピーピピー!



ちょっと区切りが悪いですが続きはまた来週…

いやー、イラストいいなー。凄いなー。

モノクロなのは寄稿する原稿がモノクロだったため、それに合わせてモノクロにしてもらったからになります。

ちなみにこれ、シャープペン一本で描いたそうです。俄かに信じ難かったですが、作業風景を見せて貰ったら納得せざるを得なくなりました。すげぇ。指って最強の筆記用具だね。

さて、今回イラストを担当して下さった方は、最近pixivのIDを入手しています。

折角ですので、本人の許可の元リンクを貼らせていただきます。

http://www.pixiv.net/member.php?id=8510972

こっちはかなりシュール…進撃の巨人にハマりにハマっているのが分かります。まあ私もハマりにハマってますが。

色んなジャンルのイラストが描けるそうで、確かにこれまでも東方や「とある」のイラストを趣味でいくつかオーダーしましたが、どれも素晴らしいクオリティでした。

「秦こころがL(DEATH NOTE)の面をかぶってる絵」というマニアックすぎるオーダーにも完璧に答えてくれたときは言葉が出なかったほどですね。しかもシャフ度してて余計に感激した(笑)

さて、来週は今回の続きを公開します。

三妖精の機体を圧倒した非想天則。しかし、そこに現れた新たな敵にチルノは驚愕する――

次回、核熱造神ヒソウテンソク! 〈ヒソウテンソク、大地に立つ!《後編》〉

君は、生き延びることができるか……
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[ 2013/10/16 20:26 ] 東方小説 | TB(0) | CM(0)
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